「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」という言葉を聞いたことはありますか?
代襲相続ってなに?
すんごく簡略化して例を言うと、「お孫さんが法定相続人になること」です。
でも、例えばお子さんとは疎遠で懐いてくれてるお孫さんの方が可愛いと言う場合でも「子どもじゃなくて、よく気にかけてくれる孫に遺産を相続させたいわ」
といって希望して相続させることができるということではありません。
(こちらは、注意点はありますが遺言書を書けば可能です。)
代襲相続が発生するには決まりがあります。
どんな時に代襲相続が発生するの?
ではその決まりって?
それは、法定相続人である「子」が相続できないときです。
子が相続できないときというのは、
①子が亡くなっているとき
②子が「相続欠格」に該当するとき(例:被相続人を殺害した、などの犯罪で当然に相続権を失う)
③子が「相続廃除」に該当するとき(例:被相続人を虐待した、などで家庭裁判所により相続権を奪われる)
です。
順に見ていきましょう。
①子がなくなっているとき
①子がなくなっているとき
例:Aさんー妻Bさん
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子Cさんー妻
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孫Dさんー妻
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ひ孫Eさん
上の家族の場合、Aさんが亡くなった時の法定相続人は妻であるBさんと子Cさんです。
これが、Aさんが亡くなった時すでに子Cさんが亡くなっていたとします。
すると、法律的に子Cさんの相続分が自動的に孫Dさんのものになるのです。
(注:Cさんの妻のものにはなりません)
さらに、もし子Cさんだけでなく孫Dさんも亡くなっていて、孫Dさんに子ども(ひ孫Eさん)がいたとしたら、
ひ孫Eさんが代襲相続することになります。
余談ですが。法律上では、上の略図のように縦の繋がりのある家族のことを「直系」といって
基準になる人から見て上に書いてある人(親・祖父母・曽祖父母)は「直系尊属」、
下に書いてある人(子・孫・ひ孫)は「直系卑属(ひぞく)」と言うのですが、
代襲相続はこの直系卑属である孫・ひ孫と存在する限り続くとされています。
なので、ひ孫Eさんも亡くなっていたら玄孫F(やしゃご)が、その次は来孫G(らいそん)が代襲相続人になるということですね。
(豆知識:ひ孫⇒玄孫⇒来孫⇒昆孫(こんそん)⇒仍孫(じょうそん)⇒雲孫(うんそん)と、呼び名は雲孫まであるそうですよ)
超高齢化社会なので、
Aさんが亡くなったのが110歳だとして、仮にみなさんが20歳でお子をなしていたとしたら、相続時に子Cが90歳、孫Dが70歳、ひ孫Eが50歳、玄孫Fが30歳、来孫Gが10歳。相続人の方々がそんなにAさんより先に亡くなる可能性はおいといて、年齢だけ考えたら来孫Gが代襲相続するというのも全然ありえますね!
②子が「相続欠格」に該当するとき
②子が「相続欠格」に該当するとき(例:被相続人を殺害した、などの犯罪で当然に相続権を失う)
「相続欠格」とは端的に言うと、自分の相続が有利になるように悪事を働いて、相続人の地位を失うことです。
具体的に何をしたら欠格になるかというと
1.被相続人や他の相続人を殺害した、殺害しようとした者
2.被相続人が殺害されたことを知りながら、犯人を告訴・告発しなかった者
3.詐欺や脅迫により、被相続人の遺言を妨害・誘導した者
4.相続に関する遺言書を偽造・破棄・隠匿(いんとく)などした者
です。サスペンスドラマとかでありそうなシチュエーションですね~。
殺害・詐欺脅迫はひどい犯罪だとすぐわかりますが、4の遺言書の偽造・破棄・隠匿も、相続においては重大な犯罪ですので注意が必要です。かくすだけでも相続の権利を失うんですよ!
これらの場合、裁判などをしなくても自動的に「相続欠格」となって相続人としての地位を失います。
そして、欠格者に子がいれば、自動的にその子(被相続人の孫)が代襲相続することになります。
③子が「相続廃除」に該当するとき
③子が「相続廃除」に該当するとき(例:被相続人を虐待した、などで家庭裁判所により相続権を奪われる)
こちらは「相続欠格」と違って、犯罪ではありません。
が、被相続人への虐待や暴力、重大な侮辱などを行っていて、被相続人が「あやつだけには財産を渡したくない!」
という強い意志を持って、相続人から外したい時に家庭裁判所に認めてもらうものです。
要するに相当な恨みを買うほど酷いことをして、被相続人の意志で相続権を奪われることです。
でも、代襲相続は発生するので、相続廃除になった人に子がいればその子(被相続人の孫)が代襲相続することになります。もしも恨みが大きくて「あやつの家には一銭も渡したくない」という場合は、その子にも相当な理由があって家裁に認められないと難しいでしょう。
番外編:相続放棄した時は?
もう一つ、子が相続できないときがあります。
それは「相続放棄」です。
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの「相続放棄」だけは、代襲相続ができません。
多額の借金が遺された場合などにされる「相続放棄」ですが、
こちらは相続できない、というよりは「相続しない」ものですので、
「初めから相続人ではなかった」ことになるからです。
番外編2:子が生きてるけど孫に相続したい時は?
上記の①~③に当たらないと、例えばお子さんが亡くなっていない場合などは、お孫さんは法定相続人には
なれません。
でもいろんな理由から、お子さんではなくお孫さんに相続させたい場合もあるかと思います。
そういう時は、代襲相続のように法定相続人になれるわけではありませんが相続させることはできます。
どうすれば良いのかというと
遺言書を書きましょう
遺言書は、相続の手続きの際に銀行などの機関で必要になります。相続人の確認のためです。
遺言書がない場合は「遺産分割協議書」という書類が必要になるのですが、
これは相続人が満場一致で内容に賛成してできあがるものです。
たとえ口頭で「遺産は孫に」と言っていても、遺産分割協議で全員賛成でないとお孫さんには遺産が渡りません。
でも遺言書があれば遺産分割協議書は不要です。
遺言書は、お孫さんが指定された相続人だという大事な証明になりますので、遺言書を書きましょう!
注:遺言書があっても相続人全員の賛成があれば内容を変えることはできます。
100%有効ではないことにご注意ください。
また、法定相続人ではない方が相続すると相続税の金額が変わってきますのでその点も注意が必要です。
補足:兄弟姉妹が相続人の場合は一代限り
補足ですが、被相続人に子がいない場合、法定相続人は(配偶者と)両親になります。
両親が既にいない場合は(配偶者と)兄弟姉妹になります。
この兄弟姉妹の場合は、代襲相続は一代限りです。
兄弟姉妹が亡くなっていて、さらに甥姪も亡くなっている場合、代襲相続は発生しません。
上に書いたように「直系卑属」の場合は存在する限り代襲相続が発生しますが、兄弟姉妹は直系ではなく傍系にあたり、一度代襲相続が発生したらそこで終わりです。
もし、子がなく親や兄弟姉妹も甥姪も亡くなっている場合、甥姪の子に相続させたい場合もあるでしょう。
でも甥姪の子に相続権はないので、相続人はいないとみなされて財産は国庫に帰属することになってしまいます。
そんな時にも遺言書があれば、希望する人に財産を渡すことができます。
甥姪の子、ともなると、日頃の関係性は薄い可能性もありますね。
急に「あなたの親の叔父叔母からの遺言書によって、相続してもらうことになりました」と言われても驚かせると思いますので、それをご本人に知らせておくことも大切な手順かと思います。
まとめ
正しい相続人というのは、意外と知らない方も多いです。特にご家族の人数が多かったり亡くなっている方がいると、ややこしくなりがちです。
まずは一度、行政書士などにご相談されると安心ですよ。
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